痛みの少ないむし歯治療
表面麻酔で注射針のチクっとする痛みを軽減
当院では、治療時の痛みを最小限にするために、表面麻酔を使用しています。通常、歯茎に麻酔注射をする際に痛みを感じることがありますが、麻酔注射の前に歯茎に麻酔液を塗ることで、注射針が刺さるときの痛みを軽減できます。
注入時の痛みを軽減する電動麻酔器
電動麻酔注射器は、麻酔液を一定の圧力で注入することができるため、手動で行う場合のように圧力にムラが生じることがありません。圧力が一定でないと、注入時に痛みが発生することがありますが、電動麻酔注射器を使用することで、コンピューター制御により安定した注入が可能となり、痛みを軽減することができます。
なるべく削らないむし歯治療（MI治療）
歯を削る量を最小限に抑える拡大鏡
当院では、患者様の歯をできるだけ削らず、抜かない治療を重視しています。そのために、拡大鏡を使用して治療を行っています。拡大鏡を用いることで、肉眼では見落としがちなむし歯の箇所も正確に把握できます。これにより、むし歯の削り残しや健康な部分の削りすぎを防止し、詰め物や被せ物の治療でも精密な処置が可能となります。さらに、小さなむし歯を見逃すことなく早期に発見し、治療を行うことができます。
むし歯の早期発見
小さなむし歯も検知する口腔内スキャナー
当院では、デジタル印象採得装置（iTero Element）という口腔内スキャナーを導入しています。このスキャナーは、口腔内をスキャンするだけでなく、近赤外光画像技術を使用して歯の内部を視覚化することができます。これにより、発見が難しい隣接面のむし歯や歯の内側に広がるむし歯を、放射線を使わずに見つけることが可能です。また、内蔵の口腔内カメラによるカラー写真をリアルタイムでモニターに映し出すことで、患者様自身にもむし歯や歯石の取り残しを確認していただけます。口腔内スキャナーによるむし歯の検知を定期検診で使用することで、これまで見つからなかった問題や症状を早期に発見し、適切な治療を行うことにつながります。
むし歯の進行と治療法
CO:ごく初期のむし歯
COとは、歯の表面にあるエナメル質がミュータンス菌を出す酸によってわずかに溶けた状態を指します。これを脱灰（だっかい）といい、歯磨きを十分に行い、唾液の作用によるエナメル質の再石灰化を促すことで改善が期待できます。また、フッ素による歯質の強化も効果的です。
C1:エナメル質のむし歯
C1は、エナメル質がさらに溶けて黒く見える状態です。この段階では痛みやしみるなどの症状はほとんどありません。治療では、むし歯の部分を削り、歯科用プラスチックなどの材料を詰めます。
C2:象牙質のむし歯
C2は、エナメル質の内側にある象牙質にまで達したむし歯です。この段階では、冷たいものや甘いものを摂取するとしみたり、痛みを感じたりすることがあります。治療では、むし歯の部分を削り、詰め物をしますが、範囲が広い場合は被せ物を行います。
C3:歯の神経に達したむし歯
C3は、象牙質の内側にある神経がむし歯に汚染された状態です。何もしていなくても激しい痛みが生じるため、多くの方がこの段階で歯科医院に駆け込みます。治療では、神経や血管が入っている歯の根っこの中を隅々まできれいにして薬剤を詰める根管治療を行います。成功すれば抜歯を回避できます。治療後は、元の歯の形に近づけた被せ物を作り、噛む力や見た目の美しさを取り戻すことが可能です。当院では、歯の神経を残す『歯髄温存療法』にも対応しておりますので、まずはご相談ください。
歯の神経を残す歯髄温存法
むし歯が中等度に進行すると、通常は神経を取り除く根管治療が行われます。しかし、この方法では歯の寿命が短くなることがあります。当院では、できるだけ歯の神経を残し、歯を長持ちさせるために、歯髄温存療法（VPT）を提供しています。この治療法では、感染した部分の神経だけを取り除き、健康な神経を特殊なセメントで保護します。歯髄温存療法は、非常に繊細で高度な技術を要するため、先進的な設備と専門知識が必要です。他院で根管治療をすすめられた方でも、歯の神経を残したいとお考えの方はぜひ一度ご相談ください。
定期健診によるむし歯予防
「一生懸命歯磨きをしているのに、むし歯ができてしまう…」と悩んでいる方は多くいらっしゃいます。家庭での歯ブラシやデンタルフロスを使ったセルフケアは、むし歯や歯周病予防の基本ですが、それだけでは十分ではありません。むし歯や歯周病の原因となるプラークはセルフケアだけでは完全に取り除けず、石灰化して硬くなった歯石も同様です。歯科医院での定期的なクリーニングでは、専用の器具を使って口の中を徹底的に清掃し、プラークや歯石をしっかりと除去します。さらに、セルフケアの指導や食事のアドバイス、むし歯や歯周病のチェックも行います。家庭でのセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングを組み合わせることで、むし歯や歯周病を効果的に予防できます。